「いい月だね」
圭が言ったのを聞き逃さなかった。
「え?何、漱石?きもいからやめてくれ」
「いや、そうじゃなくて、本当にきれいなんだよ」
こちらを見ることは無く、圭は言った。
視線は窓の外、遥か高い空に固定されていた。
「…本当だ」
確かにいい月だった。
「さて…じゃあ、いこっか」
圭は急に立ち上がって、壁にかけてあったコートを羽織った。
「え、行くって…どこ行くのさ」
「夜桜を見に、さ」
つかつかと彼は歩みを進めて、玄関まで行ってしまった。
取り残された僕は、あっけにとられていた。
「…待ってくれよ、行くから」
いつもと変わらない、そんな夜のことだった。
いつも、というのは、圭と僕が常に同じようなことをしているからである。
昨日だって、今日の仕事があるにも関わらず圭が「お茶でも飲みに行こう」だなんて言い出したから。
おかげで、仕事にならなかったのだ。
実際、それだけが問題ではないのだが。
そんな、日のことだった。
寝起きから一時間半、そんなに走ったらどんだけガス食うんだよ。
と、小一時間。
今日は寝てたよ、朝からさっきまで。
いや、いい日だった。
一記。
書くことねえwww
よく寝れた、だけ。
一記。
コメントのレス
to天使
ふふ、よかった☆
こちらこそ、ありがとうね。
また何かあったら、どうぞ。
toちびっこフォーク
はは、ま、たまにしかない面子だったしねw
いいよね、みんなで騒ぐのってさ。
また行こう、今度はもすこし、人連れてさ。
六人ぐらいが、ちょうどいいかな。
一記。
ロフトで、昨日、瓶見つけたよ。
いい瓶があった。
でも、ガラスだと割りそうなので、アクリルにすることにした。
ふふ、楽しみだ。
野望っちゃー野望だけどな。
一記。
生きることと見つけたり。
陰陽座聞きながらの、日曜日、しゅうりょうです。
また、新しい一週間が始るわけで。
週末は中華飯。
楽しみだな…ふふw
ロケット花火合戦もあるので、まあ。
よし、頑張ろう!
何事も、ポジティヴシンキングッ!
ばーい。
寝起きから一時間半、そんなに走ったらどんだけガス食うんだよ。
と、小一時間。
今日は寝てたよ、朝からさっきまで。
いや、いい日だった。
一記。
書くことねえwww
よく寝れた、だけ。
一記。
コメントのレス
to天使
ふふ、よかった☆
こちらこそ、ありがとうね。
また何かあったら、どうぞ。
toちびっこフォーク
はは、ま、たまにしかない面子だったしねw
いいよね、みんなで騒ぐのってさ。
また行こう、今度はもすこし、人連れてさ。
六人ぐらいが、ちょうどいいかな。
一記。
ロフトで、昨日、瓶見つけたよ。
いい瓶があった。
でも、ガラスだと割りそうなので、アクリルにすることにした。
ふふ、楽しみだ。
野望っちゃー野望だけどな。
一記。
生きることと見つけたり。
陰陽座聞きながらの、日曜日、しゅうりょうです。
また、新しい一週間が始るわけで。
週末は中華飯。
楽しみだな…ふふw
ロケット花火合戦もあるので、まあ。
よし、頑張ろう!
何事も、ポジティヴシンキングッ!
ばーい。
「君が主役ね!」
桜乃琥姫が振り返ると、其処に居たのは一人の青年。
いや、青年なのかどうかもわからない。
黒のラバーソウル、紺のあるハイソ、パニエで膨らんだフレアスカートに、何だか矢鱈めったら貴金属のついた黒い七部のパーカー。しかもへそだし。背中から、天使の翼のようなものが生えている。深く深く目深に帽子を被っていて、その目元は見えない。しかし、口元は笑っている。あの様子じゃ、目も笑っているんだろう。
そう考えるまもなく、指を指される。
「だーかーらー、君が主役なのー」
言っている意味がわからない。
「…あたしが、ですか」
「そう、君が主役なのん」
え、ちょっと、何、この人。
男とも女とも判別しがたい声の高さが、耳をつく。
「ってーわけで、この辺はもう危ないから、一緒に来てほしいのん」
つかつかと歩みよってきて、そいつは琥姫の腕を掴む。
「さ、行こう」
つっと、手をひかれて、ひっぱられていく。
「ちょ、今からあたし、ガッコが」
「だいじょぶー、連絡入れといたからーん」
何と手回しのいい。
「あ、なら、だいじょ…あんまり大丈夫じゃないです!」
腕を払い、その場に立ち止まる。
此処にきて、琥姫はやっと理解してきたらしい。
自分の置かれている状況を。
「なんなんですか、一体…いきなり現われて、いきなり主役だなんて」
からかうのもいい加減にしてください!と、言おうとしたところで、口をふさがれる。
「もがっ」
「しっ、静かに…」
そのまま一緒にしゃがまされる。
手を退けて、やっと一言喋ることができた。
「な、なにするんですか!」
「静かにって、言ったでしょ…」
ほら、あれ--と、天を指す指。
その先には、この世のものとは思えぬ大きさの鳥のような化け物が飛んでいた。
「え…なに、あれ」
何かを探すかのように、其れは上空を飛び回っていた。
次の言葉に、琥姫は耳を疑った。
「まずいねー、あれに気付かれたら、ちょっと今は死んじゃうかもねえ」
死ぬ?なんで?
「あれさ、やばいんだよね、基本的に。元は人であって、今は人でないものだからさ…」
帽子をあげて、そいつは言った。
よく見れば、なかなか整った顔立ちをしている。でもまだ、性別はわからない。中世的な顔立ちではあるのだが。胸は、ないようにも、あるようにも見えるし…。全体的に華奢な体格をしているし、よくわからない。
ただ、格好は奇抜だけれど。
瞳の色は、カラーコンタクトでもしているのか、オレンジ色だ。
左右の耳に、月の形のピアスを一つずつ。
「ん?ボクの顔に何かついてる?」
「あ、えっと…」
言葉が出てこない。
何と言えばいいのだろうか。
「えっと…その…」
なんだろう、言うのが恥ずかしい。
「ま、おいといて、さ。今ならいけるよ」
上空には、もうあの鳥は見当たらない。
「あ、えっと」
手をひいて、走りだす。
それについて、琥姫も足を速めざるを得ない。
「とりあえずボクらの隠れ家に行かないといけないから」
「隠れ家?」
「うん、隠れ家」
なんだろう、どきどきする。
あたしは、そいつに導かれるままに。
その隠れ家へと行くことになった。
次回。
琥姫は藤野と椛に出会うことになる。
夢のような、物語のはじまり。
つづく。
「君が主役ね!」
桜乃琥姫が振り返ると、其処に居たのは一人の青年。
いや、青年なのかどうかもわからない。
黒のラバーソウル、紺のあるハイソ、パニエで膨らんだフレアスカートに、何だか矢鱈めったら貴金属のついた黒い七部のパーカー。しかもへそだし。背中から、天使の翼のようなものが生えている。深く深く目深に帽子を被っていて、その目元は見えない。しかし、口元は笑っている。あの様子じゃ、目も笑っているんだろう。
そう考えるまもなく、指を指される。
「だーかーらー、君が主役なのー」
言っている意味がわからない。
「…あたしが、ですか」
「そう、君が主役なのん」
え、ちょっと、何、この人。
男とも女とも判別しがたい声の高さが、耳をつく。
「ってーわけで、この辺はもう危ないから、一緒に来てほしいのん」
つかつかと歩みよってきて、そいつは琥姫の腕を掴む。
「さ、行こう」
つっと、手をひかれて、ひっぱられていく。
「ちょ、今からあたし、ガッコが」
「だいじょぶー、連絡入れといたからーん」
何と手回しのいい。
「あ、なら、だいじょ…あんまり大丈夫じゃないです!」
腕を払い、その場に立ち止まる。
此処にきて、琥姫はやっと理解してきたらしい。
自分の置かれている状況を。
「なんなんですか、一体…いきなり現われて、いきなり主役だなんて」
からかうのもいい加減にしてください!と、言おうとしたところで、口をふさがれる。
「もがっ」
「しっ、静かに…」
そのまま一緒にしゃがまされる。
手を退けて、やっと一言喋ることができた。
「な、なにするんですか!」
「静かにって、言ったでしょ…」
ほら、あれ--と、天を指す指。
その先には、この世のものとは思えぬ大きさの鳥のような化け物が飛んでいた。
「え…なに、あれ」
何かを探すかのように、其れは上空を飛び回っていた。
次の言葉に、琥姫は耳を疑った。
「まずいねー、あれに気付かれたら、ちょっと今は死んじゃうかもねえ」
死ぬ?なんで?
「あれさ、やばいんだよね、基本的に。元は人であって、今は人でないものだからさ…」
帽子をあげて、そいつは言った。
よく見れば、なかなか整った顔立ちをしている。でもまだ、性別はわからない。中世的な顔立ちではあるのだが。胸は、ないようにも、あるようにも見えるし…。全体的に華奢な体格をしているし、よくわからない。
ただ、格好は奇抜だけれど。
瞳の色は、カラーコンタクトでもしているのか、オレンジ色だ。
左右の耳に、月の形のピアスを一つずつ。
「ん?ボクの顔に何かついてる?」
「あ、えっと…」
言葉が出てこない。
何と言えばいいのだろうか。
「えっと…その…」
なんだろう、言うのが恥ずかしい。
「ま、おいといて、さ。今ならいけるよ」
上空には、もうあの鳥は見当たらない。
「あ、えっと」
手をひいて、走りだす。
それについて、琥姫も足を速めざるを得ない。
「とりあえずボクらの隠れ家に行かないといけないから」
「隠れ家?」
「うん、隠れ家」
なんだろう、どきどきする。
あたしは、そいつに導かれるままに。
その隠れ家へと行くことになった。
次回。
琥姫は藤野と椛に出会うことになる。
夢のような、物語のはじまり。
つづく。