忍者ブログ

その数秒を被写体に

日常を主に綴っていく日記。バイクと釣りと、後趣味の雑文なんかが混ざる。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

エビフライ!!!

ぼく、オタリーマン 2巻より抜粋。

一記。

えーっと、朝起きてメールして昼にもっかい寝てメールして、みしま行って遊んでメールして、帰って来て先月の清算して飯食って、んでもってそれから。を更新した後にこの日記を書きつつメールしてる。

一記。

一日が大体そういう流れなので、特に何もなし。
明日からまた雨。
でも明日はバイト。
もう雨とかまじ勘弁してよー。
いいよいいよ、日曜は山田の家にでも行くよ。
日曜も昼間はバイトだけどな!

一記。

でも山田の家に行くと、先週と先々週と、ご飯ごちそうになっとるんだよなあ。
何か持ってったほうがいいかなー。
どっか行ったらでいいかな、お土産的なもので。
つっても。

家に土産買わないのにそれもどうかと。

一記。

眠たくはない。
でもあれだ、甘いものは常時足りてない。
ああ、そうだそうだ、何か、白い日のお返しなんかしないといかんのだなあ。
何か考えねえと。

それもあるけど、今月もまたブーツ買えない。
何だよ、送別会の会費が5kって……。
厳しいお。
まじ厳しいお。
どうでもいいから髪の毛切りに行くことにした。
どうせなら、日曜の夕方行こうかとか思うけど、火曜かなあ。

一記。

それから。
更新しました。
今回で、圭と遼篇は一区切り。
後やってない、殺人鬼篇とか四塚と葵篇の保管と、ハイネとマリィの話がちょろっとで締めようかと思ってます。

や、まあ、気が向いたら続行なんですけどね。
長々と引き伸ばしすぎたみたいですね。
そんな感じの日々ばっかりでした。

説明できてない部分も未だに多くありますが、またそのうち書きますのでご了承ください。

ばーい。


PR

それでも世界は生きているから 圭と遼篇

今こうしている間にも、遼の様子は変わらない。気がつけば、外は完全な闇に包まれていたのである。
「まだ七時にもなっていないのに……」
辺りの暗さに愕然とする。街灯が遠くに見えてはいるが、それも心細い灯りを放つだけだ。
まるで生気の感じられない遼を見ているだけしかできないのだ。悔しい。悔しくてたまらない。
所詮、何もできないのかと心の中でごちる。人の記憶が読めたって、何の役にも立ちゃしない。そうやって自分を責めるしかできない臆病者なんだ。
何もかもを失ったように感じ、それじゃ駄目だと、どこかで気づく。一度頭の中を整理しようと、車を出る。
昼間は暑くなったこの地域も、夜は寒いままらしい。やけに風が冷たく感じ、そういえば汗だくで戻ってきたのだと気づく。シャツは汗でべっとりとしていたし、一度着替えた方がよさそうなのは明白だった。
吐く息はやはり白く、車の灯りでそれが認識できる程度ではあった。
星空が綺麗だ。 しかし、月は隠れてしまっている。
遼と一緒に眺められたらどれだけいいだろうか。ぼーっと考えて、ため息をつく。
そろそろ車に戻ろう。遼のことも心配だし、人のいるところに行けば遼は助かるかもしれない。車の方へ向き直り、ふっと目線を上にあげた。
車の屋根の上に座り込む、奇妙な奴がいることに気づいた。
「な……何だ、お前……」
それは、いつの間にか戻ってきていた月の光を受けて輝いていた。いや、輝いていたように見えただけか。人とは違う、何かなのだと雰囲気で理解できた。得体のしれない感覚に、生唾を飲む。一体、こいつは何者だろう。記憶を探ろうと目を凝らす。
そいつはこちらに気づくと、屋根から飛び降りてきた。一瞬だった。声をあげる前に、目の前にそいつはいたのだ。
記憶が読めるはずが、なかった。その一瞬で間合いを詰められて、見下ろされる。人でないということを認識させられる。瞳はまるで燃えるように赤い。誰もが燃える火のようだと認識するぐらいの赤さだ。
その双眸に見下ろされ、身動き一つとれないでいる。
また月は雲に隠れてしまった。
様々な考えが、頭から手先から、身体中を駆け巡っていく。どうする。この目の前の存在に、どう対処するのか。逃げる。逃げる? こいつの後ろに車があるのに、それを置いていくとでもいうのか。遼を置いていくつもりなのか?
考えうる術をほとんど捨て、一つの可能性に思考が偏る。それを捨てられるほど、未熟ではないつもりでいた。
「どうした、人の子よ」
不意にそいつが喋りだした。驚いたのもつかの間、二の句が告げられる。
「君の愛する彼女は、世界に選ばれたのだ」
意味のわからない言葉だった。それを、頭の中で何度も反芻する。
「なに、言ってるんだ、それ……どういうことだよ」
世界に選ばれた、なんて、一体。
「分かっているだろう、この世界の現状を」
真っ直ぐに見つめられ、余計に動けなくなる。その瞳には、何かが宿っているようにも見えた。
「彼女は、我らのためにこの世界に選ばれたのだ」
「説明、してくれよ……」
俺は、この不思議な奴の言うことを素直に信じた。
いや、信じたというよりは、聞かなければならないと思ったのだ。
「いいだろう。心して聞け、人の子よ」
そいつは空を仰ぎ、一声吼えた。
それは風を呼び、雲を退け、隠れていた月を呼び戻す。
「彼女が選ばれた理由、そして」

「この世界が崩壊した理由を」



そんなことが、あるはずがないと俺は思っていた。
ありえないことはありえないのだと、何かで読んだことは記憶にあるし、誰もがそう思っていないわけじゃないことも知っている。
だけれど、この事実に関しては、素直に肯定できないものがあった。
「誰もが望んだから……世界が崩壊した」
オレの前に佇むそいつは、自らを異種王と名乗った。
人の形をとってはいるが、人でないものであり、それらを統べる存在であるという。
まさか着ぐるみじゃあるまいと、訝しげにしていると、疑問符を浮かべて俺を見た。
どうやらそのようでもなさそうだし、こんな機会は滅多にない。
でも、その事実が受け入れられないのだ。
「……人というのは、勝手なものだな」
異種王は車の屋根に軽くのぼり、そこに腰掛け、オレはタイヤを背にして地べたに座った。
「争いを望み、愛を求め、それでも尚欲望のままに生きる。我らはそんな人間を羨ましいとは思えない」
「そりゃ、だって、昔から、そういう風にしてきたからだ」
「昔から、か。なら、この世界に存在するための理由は何だ」
異種王の声のトーンに、高低差が生じるようになった。
きっと、憤慨しているのだろう。
「……大事なものが、あるからだろ。それをみんな、守りたいんだ」
そう思う。きっと、そうだと。
「気に食わないな」
その意見には賛成してもらえなかったようだ。
「そんなに理不尽な世界がほしかったのか、人間は。違うだろうに。争いのない、平和な世界を求めていたのだろうに」
「いや、そうなんだ、けど」
けど。オレには何も言えない。知っているからだ。
それがエゴだということを。
人間の生きるが故の、エゴだということを。
「人間が望んだから、世界が崩壊したのだと、言っただろう」
「それって、どういうことなんだ?」
「誰もが、一度はそう思ったからだ」
まるで、子供のつくったお話のような感覚。
「誰もが、って……」
「誰もが生きている間に、一度でも世界が崩壊すればいい、と」
異種王は息を荒げて言う。
「そのために、世界は崩壊を迎えたのだと我は教えられた」
そんなことが本当に。
何故だか、異種王の声が耳に残る。
キンキンとした金切り声のように聞こえている。
「人間よ、無いとは言わせぬぞ」
蛇に睨まれた蛙のように、オレは動けなくなった。
「……でも、それでも。オレたちは」
冷や汗なのか、脂汗なのかわからない液体に震えて、もうどうしようもなくなってしまう。
ただ、それを言うことが、オレにとっての。
「幸せに、なりたいから」
だから、何かを犠牲にして生きているのだと。
「……そうか。しかし、彼女もそう言ったんだったな」
彼女、とは一体。ふっと脳裏に浮かぶ、遼のこと。
「そうだ、遼は、どうすれば助かるんだよ」
思わず立ち上がり、異種王へと視線を向ける。
「助かる、だと?」
一瞬、異種王の目つきが鋭くなったように見えた。しかしそれも、一瞬であったのか、気のせいだったのか今となってはわからない。もう、最初に見たときの目になっていたからだ。
「助かるも何も、彼女は我らのために協力してもらったのだ」
誇りに思ってもらいたい、とは言わないが、すぐに帰そう、と異種王は言う。
何がなんだか、よくわからない。
「だから、それって、どういうことなんだよ!」
声を荒げて、オレは叫ぶ。
「……わからぬ奴だな。彼女は、我らの母となるべく試されているのだ」
その言葉にオレの思考は停止する。
どういうことだ、それ。
母となるべくだって?
奴らの母、って。
「我はもとよりこの世界、この国における最高樹齢の屋久杉より産まれし存在である」
両の手を掲げ、異種王は屋根の上に立つ。
「その母の肉体である、屋久杉が、土に還る時が近い。そのために、母の器に等しき存在を我は探していた」
まるでマンガや何かのような展開にオレは戸惑う。
「そのために、この街を利用した。見たであろう、樹木に絡まれた建造物や、自然のありし姿を」
あの、遼がいたマンションのことだろうか。
部屋の中は気味の悪い、うねる柱や、湿った空気の入り混じる場所であったこと。
「あの場所で、彼女を試していたのだが、君が連れて行ってしまった」
「連れていって、だって……?」
違う。
「あのまま、母の器に等しいかどうかを確認するまでは、おいておくつもりだったのだが」
何かが、違う。
「しかし、仕方がないな。君が次に何を言うかなんて、我にはどうとでもとれるような言葉である」
ふっと、異種王がその姿を消した。
「なっ……っ!?」
首に違和感を感じると同時に、身体が宙に浮かび上がる。
違和感というよりは、これは圧迫感だ。
誰かがオレの首を絞めている。どんどんと、その首に力が込められていく。
「本当に、彼女を必要としているのか、君は」
暗闇から、異種王がその姿を現した。
その自らの手で、オレの首は絞められて、持ち上げられている。
「くっ……!」
声が出ない。
息が、できない。
俺は、このままこいつに。
「それはちょっと、まずいよ」
どこからか聞こえてきた声に反応する間もなく、乾いた音が響く。
オレの首からは異種王の手は離れて、そのまま地面に落ちる。
かなりの身長差があったからか、地面から足先までの距離は結構あったはずだ。
しかし、それを柔らかい何かが受け止めてくれた。
「ゴホッゲホッ……つぅ……」
「あらあら、大胆な子ね」
女の声がして、手には柔らかな感触。
「無事かしら、藤宮君」
オレを抱えていたのは、ナイスバディのお姉さまだった。
柔らかいと思ったのは、オレの手がお姉さまの胸を掴んでいたからであった。
咄嗟に手を離し、言葉を探す。
けれど、うまく声が出せない。
「あらあら、顔が真っ赤よ?」
そんなことを言われても、今の状況がそれどころじゃないことは理解していた。
「かわいい子ねぇ」
咳き込んでいる間に、お姉さまはオレをぎゅうっと抱きしめる。
胸に顔が埋もれて、息ができない。
「また、貴様らか」
車の屋根の上にいた異種王が、こちらを見て言う。
「またとは何ですか、全く」
そう言ったのは、その体躯に似合わない大きさの拳銃を構えたスーツ姿の男。
「瀬尾君が怪我したのは君のせいなんだ。然るべき処罰を君に与えようと思ってだね」
「そうよー、あなたのおかげで仕事が増えちゃったんだからねー」
お姉さまがそう言うと、異種王は怪訝な声色で言う。
「怪我などさせた覚えはないのだが……」
スーツの男とお姉さまが顔を見合わせて、首を傾げる。
「……まあ、何にしても、そこの彼と、彼女を助けないわけにはいかないので」
スーツの男は拳銃をこちらに向かって投げる。
それをしっかりとお姉さまがキャッチして、オレはやっとお姉さまの腕の中から解放される。
「今日は逃がさないからね」
何だか、不穏な空気になりつつあるこの空の下。
オレは何もすることができずに、その光景をじっと見ていた。
そうして、夜は更けていった。



「ん……」
周りが明るい。
それに何だか寒い。
いつの間にか眠ってしまっていたようで、オレは目をこすりながら起き上がる。
目の前の光景に、絶句した。
昨日はそこは、平野だった。
その平野だった場所に、大きなクレーターがひとつあった。
誰の姿もない、まっさらなクレーターである。
スーツの男も、あのお姉さまも。
異種王さえも、見当たらない。
「……そうだ! 遼は!?」
まるで今まで忘れていたかのように思い出した。
眠っているはずの遼の名を叫びながら、車に乗り込む。
「遼!はる……」
そこに眠っていたのは、頬にうっすらと朱の指した少女。
寝息を立てて、眠っているようだ。
遼の額に手をあてて、体温を確認する。
人並みに、温かい。昨日の様子からは、打って変わったようである。
「……おい、遼、起きろよ」
軽く身体を揺さぶってやる。
少しして、小さな声をあげて彼女は目を開ける。
「んぅ……おはよ、けい」
起きた。まるで、何事もなかったかのように。
それを確認して、身体中のあちらこちらを触って確認する。
「ふぇ、ちょ、何するの、ねぇ……」
まだ半分寝ぼけている遼は、何も理解していない様子だ。
「……よかった、オレ、お前がいなきゃ、どうしようかって」
思わず声が漏れる。
「なに、どうしたの、けい……」
遼が言うのもかまわずに、抱きしめて言う。
「守れないって、思って、もう、駄目かもって」
遼は、何かに気づいたのか、何も言わずに抱きしめ返す。
「でも、よかった。もう、一人は嫌だから」
これからは、もっと。
「……馬鹿だね、けいは。私は君を、おいてったりしないよ?」
その言葉が嬉しくて。
でも、オレはそこから先は今は告げないでいようと思った。
しばらく、オレは遼の胸の中で、彼女が無事であったことに安堵した。

「ね、セリちゃんが見当たらないんだけど……」
「え? あ、そういやそうだな。どこ行ったんだあいつ」
二人で遅めの朝食をとりながら、セリがいないことに気づく。
二人でセリを探したけれど、どれだけ探しても見つけられることはなかった。
「どこ行っちゃったんだろ……」
はぁ、とため息をつく遼の肩を抱いて、オレは呟くように言う。
「あいつじゃなくたって、オレがいる、だろ」
ゆっくりと顔をこちらに向けて、遼はオレをじーっと見る。
「な、何だよ」
「……なーんでもないよ」
くすっと遼が笑って、オレの頬にキスをした。
そんなことは、初めてだったけれど。
この世界は、生きているのだと。
オレは理解した。
まだ、目的は終わっちゃいないから。
向かう方向は、決まっているから。



そうして、全ては進んでいく。







to be continue the next story →

面倒くさいことになるかもね(追記)

我に捧げよ至高の愛 より抜粋。

一記。

何もないけれど、日記を書く。
きっと、帰ってきたら追記されるんだろうな、この日記。

昼間起床、気分の悪さは電話で解決。

特に何もないけれど、創作意欲が沸いてくる状況におかれた。
もう今手元にあるもの全部、ごっちゃにしてひっくるめたい。
そんでもって、ばーっと垂れ流しにしたい。
そう思う。

寝方がまずかったのか首が痛い。
なんか、適当な寝方しかしてないのと、布団がぺらいのが関係しているようだ。

一記。

今日はこの後バイトです。
特に忙しくはないと思うけど、がんばろう。
うん。

コメントのレス

toれーあ
おう、ちゃんと食ったよ今日は!
いつも食ってないわけじゃねえから、安心してくれ。



一記。

雨合羽にドライヤーをかけると、撥水成分が復活するとか。
と、山田氏の家で読んだバイク雑誌に書いてあったので、早速実行。

結果はやっぱり、追記しようと思います。
どんだけ変わるだろうか。

以下 追記

雨合羽の効果について。
いや、よくわからんかった。

なぜか、右手首が痛む。
蛇口捻っただけなのに、何故wwwとか思いながらも、この痛みに耐え切れぬ。
湿布でもはるかな。

一記。

うーん。
早くシフトでねーかなー、再来週の。
ひょっとしたら六連勤とか当たり前そうだなあ。
そしたら泊まりにすらいけねえ。
つーか、どうにもならねえ。

何かを書こうと思いついたのに、何も思いつかなかった。
残念だな。
本当は、思いついたけど、忘れてしまったが正解。

ばーい。

あれは本当に、武御名方の骨かい

狂骨の夢 より抜粋。

一記。

たいして眠たくもないはずなのに、眠いと感じる。

昨日の今日で、この天気。
とても天気がよくて、俺は走り出したい衝動に駆られる。
本当に、何もかもを、その日の予定すら全部投げ出して走り出したい衝動に駆られるのだ。
昨日は朝のうちに入鹿池に行ったし、ひょっとしたらまた近いうちにでも、鬼岩まで走りに行くかもしれない。
その時はそうだな、また山田か誰かと行くのもいいな。
ああ、そうだ、れーあと一緒に行くって俺言ったのを思い出した。
どっかで予定合わせられるといいな。

一記。

別段、普段と変わらない日だった。
朝起きて、朝食をとり、昼からみしま行って、夕方帰ってきて。
夜は内蔵さんが来て、マジックして。
風呂に入りながら少し寝て、米を食う元気すらないぐらいの勢いで飯を食って。
口に入れてしまえば問題ないだろう、とは思うのだけれど、それでも茶碗一杯しか喉を通らない。
きっと眠たいのもあるからだと思う。
何か別のことが気にかかるとすれば、何だろうな、よくわからない。



Cross×Over!!2、更新しました。
今回は、それから。×come darkでした。
実際、この話は蛇足的なものだと考えていただければよろしいかと思います。
時系列で言うならば、ハイネとマリィは例によって世界崩壊後の二人で、セアト達は話の端々からわかると思いますが、come darkの直後になります。
また機会があって、何か思いつけば×は更新していこうと思います。

それよりも前に、それから。と、少女と、あたりを更新するつもりでいますが。
予定は未定です。

一記。

これはあれだ、きっと。
あの、一歩手前。

ばーい。


Cross×Over!!2

地平線をゆっくりと、陽が上りつつある。昨夜の様子じゃ、彼女は平気そうな顔をしていた。厄介なことに、この朝を迎えるためにどれだけの苦労をしただろうか。少なくともひと月は働かないで済むぐらいの稼ぎにはなったはずだ。
少しぐらい贅沢しても罰は当たらないだろうと僕は思う。たまにはおいしいものを二人で食べて、笑いあっていたい。食べさせたり食べさせられたり、あまつさえ本人を食べたいだなんて、僕の口からは言えない。
いや、嘘だけど。
潮風が肌にまとわりついて、少し気持ち悪い。彼女は隣で寝ているから、そろそろ起こしてやろうかと思う。しかし、気持ちよさそうに眠る彼女を起こすのもかわいそうだ。今日ぐらいは多目に見て寝かせておいてやろう。
太陽の光でキラキラと海面が光る。思わず息を飲むぐらいに綺麗だった。それこそ、これを見るために来たのではなかったか。彼女が見たいと言ったから――いや、よしておこう。考えだしたらキリがない。
彼女はまだ寝息を立てている。可愛らしいものだ。その寝ている姿すらも、僕にとっては愛しいものだ。人形みたいな造詣で、隙がないぐらいの整い方には僕でなくとも生唾を飲むだろう。僕にも睡魔が襲ってきたみたいだ。とりあえず早く帰って、ベッドで寝よう。そう思った矢先のことだ。
「いやさ、だから謝ってるじゃん! 火薬の量がちょっと多かっただけだって」
ふと、どこからか聞こえてきたのは怒鳴っているような、そうでないような言い方の声だった。声をあげているのはびしょ濡れの男で、その近くに砂浜に座り込む女性と、もう一人男が立っていた。三人とも海にでも落ちたのかと言わんばかりの濡れっぷりである。
「もー嫌。セアトと一緒のお仕事は絶対にしない」
「謝ってるじゃんよさっきから!……なあ、お前も何か言ってやってくれよシャトー」
男が、スーツの奴に話しかける。
「正直に申し上げますと、僕も君と同じ任務にはつきたくありません」
僕はそれを、遠目に眺めていた。
不思議な三人組だった。
ぎゃあぎゃあ言ってるのが一人と、それに向かってツンとしている女の子。
他人のフリをしつつたまに口を挟むスーツの男。
朝のこんな時間から、何をしているんだろう。
思わず、笑みがこぼれる。
クスリ、と笑って、なんだかおかしくなって。
向こうからもこちらは見えているはずだ。それなのに、何も気にせずに騒ぐ彼らを見ていたら、おかしいなって思うようになった。
そうだ、もうずっと帰ってないから、一度エンリッヒの屋敷に帰ろう。それで、エンリッヒとルナリアと、僕とハイネの四人で食事をしよう。ああやって、ぎゃあぎゃあ騒げたらきっと、楽しいだろうな。
よし、そうと決まればやらねば今後に支障が出る。隣で寝ているハイネを揺さぶる。
「ハイネ、起きて。もう行くよ」
んん、と声をあげて、彼女は瞳を開く。
「ほら、帰るよ。今日は屋敷に戻るよ」
ハイネは目をぱちくりさせて、一度大きくあくびをした。
「……ねむた、い」
「そりゃそうだよね、僕も眠たいよ。でも帰るよ。早く行かないと、夜になっちゃう」
頭に疑問符をつけたハイネに説明することもなく、僕は歩き出す。
ルナリアが腕を揮ってくれるであろう食事と、ハイネの歌声を肴にいっぱいやるのもいいな。
目下、まだ騒いでいる三人組を横目に、ハイネの方を振り返る。
よたよたと目をこすりながら歩いてくる彼女の後ろに、のぼりきった朝日があった。
ああ、とても綺麗だなと僕は思った。

そうして、僕たちは帰路につく。
あの、やさしい主人と、天真爛漫なメイドのいる屋敷への帰路に。








「やれやれ、本当、君と組むのは」
シャトーがぐちぐちとセアトに言う。
「もう勘弁してくれ、謝っただろうがよ……」
もう謝りつかれてげんなりしているセアトに、更に追い討ちをかけるかのようにクロが言った。
「あ、そうだ! セアトに温泉でもつれてってもらお、ね」
首をかしげながら尋ねられて、シャトーはずれたメガネを指で直した。
「そうですね、今回の報酬で行きましょうか。セアトの奢りで」
鳩が豆鉄砲をくらったような顔をして、セアトは嘆く。
「本当、勘弁してくれ……」
しかしそれもまた、一興であるということを、セアトはまだ知らない。
朝日は、彼らの行く末を指すのだろうか。












Cross×Over!!2 です。
今回は、それから。×come dark でした。

また気が向いたら更新します。





Copyright © その数秒を被写体に : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]

管理人限定

カレンダー

06 2025/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

フリーエリア

最新コメント

[11/11 りょ]
[11/20 Mes]
[11/16 りょ]
[10/14 朋加]
[09/29 朋加]

最新記事

(05/20)
(05/15)
(05/11)
RAY
(05/11)
(05/09)

最新トラックバック

プロフィール

HN:
ikki
性別:
非公開

バーコード

ブログ内検索

P R

カウンター

アクセス解析