「え、ちょ、これはまずい」
「いや、よけろよwww」
自然と、声が出る。
「ああ、シビレ罠あるけど麻酔玉ねえや…」
圭の顔が、僕を睨む。
「…さいあくー」
一言だけ言って、顔を画面に戻した。
かちゃかちゃと、ボタンを押す音だけが部屋に響く。
今日も月は綺麗だった。
「ああ、やっとおわった」
十五分と経たないうちに、PSPから手を離した。
「骨が折れるねこれは」
「捕獲したいからもう一回な」
本気ですかこの人は。
「…コンビニ行ってくるよ」
「あ、僕もいくよ」
椅子から立とうとして、止められる。
「だめ、お前は留守番な」
「えー…」
その代わり、と言って圭は。
「すぐ戻ってくるよ。それに」
圭の手が僕の上をなぜる。
「今夜は寝かせないから」
微笑んで、圭は部屋を出て行った。
「…今夜は寝かせない、か」
圭が照れる様子もなく言ったので、僕は面食らってしまった。
「どうせ、徹夜でモンハンなんだろうな…」
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