世界が崩壊するという話は瞬く間に世間に広まった。
「朝から…洒落にならないわね」
とりあえず身支度から始めようと、窓を開ける。清々しい朝だ。雲一つない空、今日も暑くなりそうだ。
携帯が鳴る。
「誰よこんな朝から…家?」
液晶には実家という文字と見慣れた番号が並んでいる。
どうせさっきのニュースを聞いた父が心配して電話をかけてきたのだろう。通話ボタンを押して電話に出た。
結局、10分も経たないうちに電話を切ることになった。母も心配してくれていたらしく、電話口でぎゃあぎゃあ騒ぐ音が聞こえてきた。
「本当に終わりなのかしら…」
内心、半信半疑ではあった。まさかそんな話があるはずがないのだと。アセンションが起きるにはまだ早いし。
色々と思考を巡らせていくうちに、家を出る時間になってしまった。
今日も一日、アルバイト。