驚愕。
並んで歩みを進める二人。
何だか、今までに見たことないようなものだった。
一人は、よく知る人物。今まで一緒に色々してきて、兄弟と呼べる男だ。
もう一人は、初めて会う相手。二度のメッセージ交換でしか接点はなかった。
並んで座る二人。何だか、珍しいようでもある光景。
彼が
見つけた。
彼女が
こんなこと、滅多にない。だからこそ、巡り逢った。
笑う彼、笑う彼女。
喩えるなら、空想の産物。天使――神の使いとでもいうべきか。
元々、その男は神の使いではなく、神に許しを乞う者だったのだ。
彼女については詳しいことはまだよくわからないけれど――。
彼にとっての天使なのではないかと推測する。
勿論、あくまで推測の域である。
雨降りの。
彼は涙に弱く、少しでも涙気が増えるとたちまち力を失ってしまう。
まるで糸の切れた操り人形みたいに。
それを支えるのが、傍らにいる天使なのである。
彼が休んでいる間、とりとめのない話を天使としていたのは、これを綴る自分。道化とでも名乗ろう。
色々なことを話した。終いには天使は、道化を褒めた。
道化は笑う。
気味の悪い笑い方で笑う。
ただただ嬉しくて。
そうして彼もまた天使となった。
道化はただ、笑顔を絶やさぬように努めた。
見つけた。
彼の手を、ぎゅっと握って離さない天使は、そうすることで彼を戒めから解き放とうとしている。
その戒めに立ち向かいつつも彼はもがき苦しむ。
道化は思う。
ああ、彼女なら――彼女ならば。
道化は己の役目を果たすべく二人と別れた。
ばいばい
どもどもっ